【超入門】日本語で指示するだけ!Googleの新AIコーディング『Jules』の使い方を5ステップで徹底解説【非エンジニア必見】

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「こんなアプリがあったら便利なのに…」
「自分のホームページを作ってみたいけど、何から手をつけていいか分からない…」

そんなふうに、素晴らしいアイデアがありながら、専門知識の壁に阻まれて一歩を踏み出せずにいませんか?

2025年、Googleが発表した新AIコーディングエージェント『Jules』は、そんなあなたのための革命的なツールです。プログラミングの知識がなくても、まるで優秀なアシスタントに日本語で「こんなものを作って!」とお願いするだけで、アイデアをゼロから形にしてくれます。

この記事では、「Julesって何?」といった概要は別の記事に譲り、「Julesを使って新しいプロジェクトをゼロから立ち上げる方法」だけに徹底的にフォーカスします。アカウントの準備から、実際にAIにプログラムを作ってもらうまで、一つ一つの手順を丁寧に解説していくので、ぜひ一緒に手を動かしてみてください。

この記事を読み終える頃には、あなたもJulesを自在に操り、頭の中のアイデアを現実の世界に生み出す方法を身につけているはずです。

Julesの概要や料金プランについて先に知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。


第1章:準備編 – Julesを始める前の2つのステップ

Julesを使い始めるために、まずはアカウントの準備をしましょう。必要なのは「Googleアカウント」と「GitHubアカウント」の2つだけ。GitHubは少し専門的に聞こえるかもしれませんが、心配無用です。分かりやすく解説します。

ステップ1:Julesにログインする

最初にJulesの公式サイトにアクセスし、お使いのGoogleアカウントでログインします。

  1. 公式サイト jules.google.com にアクセスします。
  2. 「Sign in with your Google account」ボタンを押し、Googleアカウントでサインインします。
  3. 初めて利用する場合は、プライバシー通知が表示されるので、内容を確認して同意します。

ステップ2:GitHubアカウントを連携する

次に、Julesがプログラムを保存するための場所として、GitHubアカウントを連携させます。

💡 GitHubとリポジトリって何?

GitHubは、世界中の開発者がプログラムのコードを保存・管理するために使っているウェブサービスです。「プログラム版のGoogleドライブ」のようなものだと考えてください。

そしてリポジトリとは、そのGitHub上にある「プロジェクト専用の保管フォルダ」のことです。Julesに新しいアプリを作ってもらうなら、まずそのアプリ専用の、空っぽのリポジトリをGitHub上に作っておく必要があります。

  1. Julesの画面で「Connect to GitHub account」をクリックし、GitHubの認証画面に移ります。
  2. GitHubにログインし、Julesとの連携を許可します。
  3. 「どのリポジトリへのアクセスを許可しますか?」と聞かれます。ここで、先ほど作成した新しいプロジェクト用の、空のリポジトリを選択しましょう。
  4. 設定が完了すると、自動的にJulesの画面に戻ります。

これで準備は完了です!Julesがあなたの新しいプロジェクトフォルダ(リポジトリ)と繋がり、いつでも作業を始められる状態になりました。


第2章:基本編 – “おしゃべり”でAIを動かす5つのステップ

ここからは、いよいよJulesに新しいプロジェクトの作成を依頼する手順です。Julesは、「あなたからの指示 → Julesが計画を立てる → あなたが承認 → Julesが作業実行」という安全な流れで動きます。この流れを5つのステップで見ていきましょう。

ステップ1:作業場所を選ぶ

まず、Julesにどのプロジェクトフォルダ(リポジトリ)で作業してほしいのかを教えます。

  • 画面上部にある「リポジトリ選択」のドロップダウンから、先ほど連携した新しいプロジェクト用のリポジトリを選びます。
  • その隣には「ブランチ選択」メニューがあります。

💡 ブランチって何?

ブランチは「作業用の下書き」のようなものです。完成版のコード(通常は `main` ブランチにあります)を直接いじるのではなく、安全な下書き用のコピー(新しいブランチ)を作ってそこで作業します。これにより、途中で失敗しても完成版には影響が出ないため、安心して開発を進められます。新しいプロジェクトの場合、最初は`main`ブランチしかないので、そのままでOKです。

ステップ2:AIへの「お願い」(プロンプト)を作成する

次に、Julesに何を作ってほしいのかを具体的に伝えます。この指示のことを「プロンプト」と呼びます。

Julesにゼロから何かを作ってもらうコツは、「何を作るか」「どんな技術を使ってほしいか(もしあれば)」を明確に、かつ一つのタスクに絞って書くことです。

✅ 良いプロンプトの例(新規作成)

  • 「HTMLとCSSを使って、シンプルな自己紹介ページを作成して。ヘッダー、自己紹介セクション、連絡先セクションが必要です。」
  • 「Pythonで、指定した都市の現在の天気を表示するコマンドラインツールを作って。」
  • 「Reactを使って、基本的なToDoリストアプリを構築して。タスクを追加する入力欄と、追加されたタスク一覧が表示されるようにしてください。」

🚫 避けるべきプロンプトの例

  • 「すごいアプリ作って」
  • 「ウェブサイトを作って」
  • 「何かいい感じにして」

プロンプト入力欄に作ってほしいものを入力し、「Give me a plan」ボタンをクリックしましょう。

ステップ3:AIからの「計画書」(プラン)を確認・承認する

プロンプトを送信すると、Julesはまず「計画書(プラン)」を提示してくれます。これは、あなたの指示をどのように解釈し、どんなファイルを作り、どのような手順で作業を進めるかの設計図です。

計画書には、以下のような内容が含まれています。

  • Julesが何をしようとしているかの自然な言葉での説明
  • 作成するファイルや、修正するコードのステップごとの詳細
  • 作業を行う上での前提条件など

各ステップはクリックして詳細を確認できます。自分の意図と合っているかを確認しましょう。もし修正してほしい点があれば、下部のチャットボックスから「その方法じゃなくて、〇〇というやり方でお願い」のようにフィードバックを送れます。

計画に問題がなければ、「Approve plan」ボタンをクリックします。これで、Julesが実際のコーディング作業を開始します。

ステップ4:AIの作業をリアルタイムで「見守る」

計画を承認すると、Julesはコーディングを開始します。その様子はリアルタイムで手に取るように分かります。

  • アクティビティフィード:画面左側には、Julesが「今、〇〇というファイルを作成しています」「次に〇〇をインストールします」といった進捗が時系列で表示されます。
  • コードビュー:画面右側には、Julesが今まさに書いているコードが表示されます。まっさらな状態から、プログラムが組み上がっていく様子を見るのはとてもエキサイティングです。

作業の途中で「あ、やっぱりこの機能も追加してほしい」と思ったら、いつでもチャットボックスから追加の指示を送ることができます。

ステップ5:完成!「作業報告書」を確認してGitHubに保存

全ての作業が完了すると、Julesは最終的な「作業報告書(サマリー)」を提出してくれます。

このサマリーには、以下の情報がまとめられています。

  • 作成・変更されたファイルの一覧
  • 作業にかかった合計時間
  • 追加されたコードの行数
  • GitHubに保存するためのブランチ名とコミットメッセージの提案

内容に問題がなければ、「Publish branch」または「Publish PR」ボタンをクリックしましょう。これで、Julesが作成したプログラム一式が、あなたのGitHubリポジトリに新しい下書き(ブランチ)として保存されます。

あとは、GitHub上でそのブランチを確認し、問題なければ完成版(`main`ブランチ)に統合(マージ)するだけです。これであなたの新しいプロジェクトが正式に完成します!


第3章:応用編 – Julesをもっと使いこなす便利機能

基本的な使い方がわかったところで、Julesをさらに便利に活用するための応用機能も見ていきましょう。

1. AIを賢くする「環境設定」のコツ

より複雑なプロジェクトを作る場合、Julesにプロジェクトのルールや使い方を教えてあげることで、もっと賢く動いてくれます。

  • セットアップスクリプト:リポジトリの「Configuration」設定から、プロジェクトの初期設定に必要なコマンド(特定のツールをインストールするなど)を登録できます。
  • AGENTS.mdファイル:あなたのプロジェクトフォルダの直下にAGENTS.mdという名前のファイルを作成しておくと、Julesが作業を始める前に必ずその内容を読んでくれます。これは、いわば「AI(Jules)への申し送り事項を書くノート」のようなものです。ここにプロジェクトのルールや注意点を書いておくことで、Julesはそれを忠実に守り、より精度の高い作業をしてくれます。

    記述例:

    • # このプロジェクトについての申し送り事項

      ## 1. プロジェクトの目的
      このプロジェクトは、私の日々の学びを記録するための個人ブログサイトです。
      読者には、専門家でなくても分かりやすい言葉で伝えることを目指しています。

      ## 2. コーディングのルール
      - 新しいページを追加する際は、必ずページの最初に `` タグを使ってタイトルを入れてください。
      - すべての文章のトーンは「です・ます調」で統一してください。
      - 作成するコードには、後から私が見ても分かるように、簡単な日本語でコメントを残してください。

      ## 3. デザインのルール - サイトのメインカラーは、青色(#0066CC)を使用してください。
      - フォントサイズは16pxを基本としてください。

      ## 4. 使ってはいけない技術
      - このプロジェクトはシンプルに保ちたいので、jQueryは使用しないでください。


2. 作業を一時停止・再開・削除する

Julesの作業はいつでもコントロールできます。

  • 一時停止(Pause):作業中に「pause」ボタンをクリックすると、Julesの作業がその場で停止します。後で再開することも可能です。
  • 削除(Delete):不要になったタスクは、タスク一覧からゴミ箱アイコンをクリックして完全に削除できます。

第4章:トラブルシューティング – 「うまくいかない…」そんな時の対処法

Julesは優秀ですが、時にはタスクが失敗することもあります。そんな時に慌てないためのポイントをご紹介します。

エラーはどこで確認できる?

タスクが失敗すると、JulesはUI上で知らせてくれます。

  • アクティビティフィード:どのステップで失敗したかが、フィード内に赤く表示されます。
  • 通知バッジ:UI上に赤い点のバッジが表示され、エラーを知らせます。

よくある失敗の原因と対策

タスクが失敗する最も一般的な原因は以下の通りです。

  • 環境設定の不備:プロジェクトの実行に必要なツールが足りない場合などです。設定を見直してみましょう。
  • 曖昧すぎるプロンプト:「すごいアプリ作って」のような、具体的でない指示ではJulesも混乱してしまいます。第2章のステップ2を参考に、指示をより具体的にしてみましょう。

失敗したタスクは、プロンプトや設定を修正した上で、「rerun」ボタンから簡単に再実行することができます。


まとめ:AIとの対話で、アイデアを現実に

今回は、Googleの新しいAIコーディングエージェント「Jules」を使い、ゼロからプロジェクトを立ち上げる方法を徹底的に解説しました。


    1. 準備:ログインしてGitHubで保管場所(リポジトリ)を用意し連携
    2. 指示:リポジトリを選び、作りたいものを具体的にプロンプトで指示
    3. 確認:Julesが提示する設計図(プラン)を承認
    4. 実行:AIがコーディングする様子を見守り、必要なら追加指示
    5. 完成:できたプログラムをレビューしてGitHubに保存

この流れさえマスターすれば、あなたはもうプログラミングの専門家でなくても、自分のアイデアをテクノロジーの力で形にすることができます。Julesは、あなたの創造性を加速させる、まさに「相棒」のような存在になるでしょう。

Julesには誰でも利用できる無料プランが用意されています。まずはこの記事を参考に、あなたの頭の中にある小さなアイデアを、Julesにお願いしてみてはいかがでしょうか?

AIとの対話を通じて、あなたのアイデアが現実のものとなる。そんな未来は、もう始まっています。

Julesのより詳細な機能や料金プランについては、こちらの記事で解説しています。

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